本記事は、孫正義が東大受験を2度失敗した弟に教えた勉強の極意をまとめたものです。
その後、弟の泰蔵さんは「東大全国模試で全国2位」「センター試験800万点中の760点」という成績を残し、見事、東大経済学部に合格しています。
- 勉強の鬼になる
- 無限に勉強する方法
- ダムを作る
- 甘えを排除する
1代で日本の時価総額トップ5に入る企業を作り上げた孫正義の経営にも通ずる極意、ぜひ参考にしてみてください。
参考:孫泰蔵さん著書「孫家の遺伝子」
勉強の鬼になる
「お前は全力でやりきっているのか?」
1992年、孫正義さんの弟・孫泰蔵さんは東大受験を2度失敗し、浪人2年目に突入。
うなだれていると、兄の正義さんに呼び出され、指導が始まりました。

どこの大学に行くとかはどうでもいい、受験は運もあるから落ちることもあるのはしょうがない
ただ、全力を出すことは自分の事だから努力次第で必ず達成できる。
痛いところを突かれた泰蔵さん、返す言葉がありません。
兄・正義さんはアメリカ留学中、寝る時間以外すべてを勉強に捧げていたそうです。
食事をしながら、歩きながら、トイレでさえ教科書や参考書を離さなかった。
入浴中でさえも、教科書をビニール袋に入れて見ていたのだとか。
正義さんは声をかけます。
「勉強の虫になるなよ」
そうか、焦ってばかりで余裕がないと、効率が上がらないか。
そう思って聞いていると違いまいした。

「1日に6時間寝れば十分だ。18時間、勉強し続けるのをやってみろ」
例えばビル・ゲイツと話してて、俺は凄いなとは思うけど、個人レベルの勝負というところで言えば、彼だって俺以上に勉強しているはずないと思える。
俺にはだれにも絶対に負けない自信があるから、ビル・ゲイツともガンガンやり合えるんだ。
「お前も自分で自分が認められるくらいやり切れ!」
無限に勉強する方法

孫正義は続けて言いました。
「でも実際、18時間やるのは無理だ、難しい。」
「できないかと言われればできるんだけど集中力が、切れる」
なんだ、時間を減らしてくれるのかと聞いていると、とんでもない言葉が出てきました。
「だから最初で最後だ。集中力が切れん極意をお前に教えてやる」
「それはだな...30分とか1時間単位で教科書を変えればいいんだ!」
つまり、数学に飽きたら、次は英語をやると言うように、気分転換に他の勉強をすればいいというのです。

科目でローテーションを組み、寸分の無駄なく計画を立てるんだ!
これ、オリエンタルラジオの中田敦彦さんもアメトークの勉強芸人で言ってました。
私たちは休憩時間にゲームやスマホいじりや読書など純粋な休憩以外の行動をとります。
それを違う教科の勉強に置き換えればいいということです。
末っ子でのんびりしたところのある泰蔵さんですが、さすがにやる気になりました。
早速、段ボール3箱分の問題集を買い込み、勉強の年間計画を練ります。
参考:孫 泰蔵×糸井重里 対談「ご近所の社長は、やっぱりすごい人だった
ダムを作る

泰蔵さんは、兄からもう一つ計画立案の極意を教わっていました。
それは「ダムを作る」
能力を計算し、ちゃんと計画を立ててもどうしても計算外の遅れが出てきてしまう。
そこで必要になるのが、ダムというバッファ。
例えば1日16時間勉強するとして、3時間分はバッファとして予定通りできなかった場合はそこでリカバリする。
バッファでも吸収できなかったことを想定して、1週間の日曜日の午前など、ミドルレンジでもバッファを取ります。
さらに月の最終日を丸1日空けるなど長期でもバッファをとる。
そのようにバッファ = ダムを用意しておき、計画が破たんし、やる気がなくなるのを防ぐのです!
甘えの排除

勉強を始めた泰蔵氏さんは次のように実績を色分けで示しました。
勉強が予定通りにできたら :緑色
出来なかった(サボり) :赤色
勉強を始めたが達成できなかった:黄色
1カ月後、また兄に呼ばれます、管理の基本、進捗チェックです。
「しまった!今来るか….」
コツやペースがつかめず、計画表には、全くできていない赤色が結構あったのです。
怒られると思っていると、正義さんからは思いがけない言葉がでてきました。
「赤はいい、この黄色は何だ?」
「え?なんだ」意外な言葉に泰蔵さんは対応できません。
「どれくらいできているんだ」
「7割くらいかなら」
「じゃあ今からテストする」
孫さんはそう言うと、参考書から問題を出し始めました。
しかし、泰蔵氏は3割程度しか答えられませんでした。
「お前は嘘の報告をしてるじゃないか?」
「進捗管理が甘い!」
うなだれていると、正義さんは説明を始めます。
「赤や青は正しく報告されているからいい、黄色の管理が重要なんだ、これが進捗管理の肝だ!」

人間は自分に対して甘く採点しがちだ、それを他人に対しても自分に対しても厳しく評価して把握しないと、リカバリの計画もちゃんとできない。
ましてや進捗管理などできない!
聞けばソフトバンクでも大抵の社員はこのようなことになるそうです。
「しかしそれじゃダメだ。」
「正しい進捗評価、そこからすべてが始まるんだ!」
勉強の成果
こうして猛勉強を始めた泰蔵さんでしたが、始めは集中が続かず、進捗が芳しくありませんでした。
プレッシャーからノイローゼ寸前の状態まで追い詰められてしまいます。。
ところが、数か月もしないうちに、効率が上がっていき、加速度的に進捗が進んでいきます。
嬉しい誤算でした。
計画立案時にスピードアップを計算に入れていなかったのです。
赤だらけだった、スケジュールは徐々に黄色が増え、やがて緑一色になっていきました。
気付けば、年間計画を2周半こなし、絶対的な自信を手に入れた泰蔵さん。
見事、東大経済学部に合格したのでした。
孫正義さんの教えはスパルタですが、自分も実践し結果を出しているので説得力があります。
この後、孫泰蔵さんは要所で兄と接点を持ちながらガンホーの創業者になる等成功します、経歴については次の記事でまとめていますのでチェックしてみてください。
また、孫正義、孫泰蔵と2人の成功者を育てた孫家の教育法については次の記事でまとめています。
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