孫正義さんと言えば、一代で時価総額2位のソフトバンクグループを創り上げた天才事業家です。
その成功の秘密を数々の名言から探ります。
志が高い
最も重要なのは1番目が志と理念、2番目がビジョン、3番目が戦略です。
孫正義の座右の銘といえば「志高く」。
その志は「情報革命で人々を幸せにすること」です。
本当は単にお金を追い求める投資会社とは違い、「情報革命屋さん」が本業です。お金はただの道具です。300年間ただひたすら一筋にやっていきたいのは情報革命なのです。
稲盛さんの「動機善なりや」、渋沢栄一の「道徳経済同一論」など成功するために必要なものとして「志の高さ」をあげている偉人は多いですね。
父親が付けた名前は正義。一生この名前と付き合ていると、やっぱり自分の人生のテーマとして曲がったことはできません。
私がこき下ろされるのは構わない。笑われてもいい。ただ、日本の将来が笑われない様にしなければ。
金が目的になってはならない。金はただの結果にすぎません。お金が目標になると本末転倒になってしまう。
究極の自己満足は人に喜んでもらえることです。
ビジョンが明確
近くを見るから船酔いするんです。100キロ先を見てれば景色は絶対にぶれない。ビジョンがあれば、少々の嵐にもへこたれません。
アメリカ留学、海外への投資と若い時から常にIT業界の最新動向に触れ、ソフトバンクが進むべきビジョンを示してきました。
「ブロードバンド参入」「携帯事業参入」「アーム社買収」「ビジョン・ファンド設立」など方針を発表する時は、周りから理解されないのですが、5年、10年後人々は孫社長の真意を理解するのです。
私は常に7手先まで読みながら碁の石を打っていく。まあ、分かる人には分かるし、分からない人には分からない。
日本の悪い癖は、自分たちが分かる過去の世界のことを本業と呼ぶ。本業からはみ出すやつは危険なやつだと、邪道だと。
中国何千年の歴史で大きく天下が動いた時というのは、やはり大きな絵を描いて、人々の心を揺さぶる檄文を書いて、100万の大群を錦の御旗の下に集めた時ですよ。そういう意味では、大きなビジョンというのは掲げないといけない。
僕は決して世の中を大きく変えるような発明をしたわけではない。何か一つだけ平均的な人と比べて僕に特殊能力があるとすれば、それはパラダイムシフトの方向性と、その時期を読むことに関心が強いということだ。
これからAIが全ての産業をもう一度、再定義するという時代に入っていく。
リスクテイカー
将来の事よりも足元をという者は、生涯、足元の問題から脱却できない人が多い。
孫正義さんは、あのビル・ゲイツに「君は僕と同じくらいリスクテイカーだな」と言われ、大変光栄なことだと喜んだそうです。
世間に罵倒されながらもリスクを取り、結果を出してきた孫正義のリスクに関する言葉には特に重みがあります。
己の限界を叩き壊して励む事。これを挑戦という。
シュートを放たずに点を取れる事は、滅多にない。人生も。
失敗を恐れる必要はありません。厳しい環境でしか学べないことはあまりに多い。
若いうちの苦労は買ってでもしろといいますが、無理難題を体験すればするほど底力がついてくる。
守りに入り年間二割や三割ずつ売り上げを伸ばしてみてもしょうがない。
全く勝ち目がない事に挑む事を推奨しているわけではありません。周りには無謀でも孫正義には7割以上の勝算があります。
本当の勇気は周到な用意の元に生まれる。用意の無い勇気を蛮勇という。
7割の成功率が予見できれば事業はやるべき。5割では低すぎ、9割では高すぎる
一日に夜が在り朝が在る様に人生にもそれが在る。
ただ、孫さんも現在の地位を得るまでは勝率7割以下の大勝負をしています。
投資先を見極める能力
僕がアリババに投資したときもボーダフォンに投資したときも、言い始めた直後は、ほとんどの人が反対でした。
孫正義さんと言えば、その類まれな投資能力です。
失敗も多いのですが、Yahooやアリババなど稀に出現する特大ホームランにより、ソフトバンクグループに巨大な利益をもたらしてきました。
幹部全員が賛成するような投資はしない。
過去の会社の利益や資産を一生懸命見て細かく分析しても、大した意味はないと僕は思います。やはりこれから10年、20年、30年、場合によっては50年の範囲で見て、将来的にその事業分野が伸びるのかどうか、そして優れた経営陣がいるかが鍵でしょうね。
我々の理念にかなわない会社は想定外。情報革命で人々を幸せに、という理念で事業を行っていますが、それ以外はいくら儲かる事業でも、どんなに楽しい事業でも僕らがやっちゃいけないと思う。
ジャングルの道案内には、ジャングルを心から好きで住み着いているターザンのような人間のほうが、ネクタイをしている人よりもずっと頼りになる。
5割の確率でやるのは愚か。9割の成功率が見込めるようなものはもう手遅れだ。7割の成功率が予見できれば投資すべきだ。
すべての投資が成功するわけではない。むしろ、失敗の方が多い。しかし、大ホームランを逃さないように、私に投資情報を上げるように言っている。
交渉力
「交渉を成功させる秘訣を知っているか?」「鯉とりまーしゃんなんだよ」
その投資や挑戦を成功に導く切り札となっているのが、孫正義さんの交渉力です。
誠の想いが相手に通じなくて悲しい時は、更に深い誠を尽くせばよい。
相手に得をさせれば、私を味方だと思ってくれる。そうすれば、その後の話がまとまりやすくなり、私も得をする。
僕は、本業がM&Aなのではありません。ただ戦いにたとえれば、ある会社と無理に戦って勝ったとしても、多くの血を流しては上策とは言えないわけです。外航船で陣地を広げるやり方があってもいい。刃を交えて勝つのは中くらいの策でしょう。まして戦って負けるのでは話にならない。
失敗を認める
雨と晴れは必ずやって来る。大切なのはその両方を幸運だと捉える心構えだ。
創業期のショッピング雑誌「TAG」の大失敗や「後継者ニケシュ・アローラ解任」、最近では「WeWorkの投資の失敗」など、孫正義さんも度々失敗しています。
そんな時、孫正義さんは潔く失敗を認め、すぐに方針を改めて、前を向きます。
リーダーにとって退却の決断は、最も勇気と自信を必要とする。
退却には攻撃の10倍の勇気がいる。退却の決断はトップしかできない。退却ではボコボコに非難される、やられる、恥ずかしい。これに耐える勇気がないと、もう戦えなくなる。
反省はするが、萎縮はしない
失敗を恐れずに様々な手段を次々に試していれば必ずどこかで当ります。
すってんころりんと転ぶかもしれない。しかし目指したものが そこにあれば、死ぬ5分前に「ああ、楽しい人生だったな」はるかに有意義な人生だったと思える気がする。
失敗は怖くない。年老いて失敗を恐れる己が怖い。
リーダーシップ
人生には、課題が多い。それ等を乗り越える気力のない者は、リーダーになる資格無し。
孫正義は常に最前線に出て、軍の先頭進み、誰よりも闘い、傷つき、戦果を挙げます。
決算発表は自分でプレゼンしますし、ポイントとなる記者会見には必ず出席し、そのコメントはニュースに。
批判も称賛もすべて自分で受け止めます。
リーダーは単にアイデアが浮かぶだけではいけません。実行が伴い、人が付いてきて初めてリーダーシップが発揮されます。
難事に突き当たった時に眼をそらす人は、リーダーになってはならない。
よく社長就任のあいさつのときに感想はと聞かれると、日本の社長は「いや、思いがけずしてなりまして」ということが多いですよね。「思いがけずして」などという人は社長になってはいけない。社員は迷惑する。お客さんも迷惑する。もちろん、謙遜で言われているということはわかりますが、謙遜にも限度があるだろうと思うのです。
全ての人がリーダーに成る必要はない。しかし、己れが信ずるリーダーを間違ってはならない。
リーダーが持つべき3つのポイント「理念、ビジョン、戦略」この3つを持っていないリーダーにはついていくべきでない。これが僕が日本の学生諸君だとか、サラリーマンの人たちに言いたいことです。もちろん政治家でも、経営者でも同じです。
人の話に耳を傾ける
新入社員の発言でも、それが正しい事ならば会議を通ると言う体質にしておかないと会社は成長して行きません。
孫正義さんは強烈なリーダーシップを発揮しつつも、理のある部下の意見には耳を傾けます。
ソフトバンクの取締役会は、よくある議題を淡々とこなしていくようなものではなく、社外取締役も含めとことん議論する場です。
「話をよく聞く独裁者」が孫正義のスタイルです。
役員会や社内会議でよくありがちなのは、肩書が上の人の意見が通ってしまう事です。
ある意見に対して、正しい、間違っているという判断ではなく、「これは社長の意見だから、あれは部長が行った事だから」と等してしまうと、誰も意見を言わなくなる。
本音の議論からは、あらゆる意味で学ぶ事多し。議論し始めた段階で既に進化が始まっている。
ユーモア
髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである
「じじ殺し」「人たらし」と呼ばれるほど、人間的魅力も併せ持っています。
魅力の一端はそのユーモアに。薄毛の自虐ネタが得意技です。
高いモチベーション
俺はまだ100分の1も成し遂げていない
自身が日本第2位の富豪になっても、ソフトバンクが時価総額2位の企業に成長しても、孫正義は全然満足していません。
出自から心無い言葉を浴びせられてもへこたれません。
このモチベーションを維持し続けている事が、孫正義さんが成功した最大の理由だと思います。
なぜ、モチベーションを保ち続けることができるのでしょうか?
その理由は3つあります。
一つは、志が高いから。
「情報革命で人々を幸せにする」という蜃気楼のような夢が志であるため、どこまでも突き進んでいけるのです。
夢は無限大に持つことができる。そして、自分の持った夢に人生は比例する。
次の動画では、志の大切さついての孫正義さんが熱弁しています。心を打たれる内容です。
2つ目は、圧倒的自信。
父の三憲さんの「褒めて褒めて褒めまくる教育」により、自分はなんでもできる天才だと、自分すらも騙してモチベーションとしています。
最初にあったのは、夢と根拠のない自信だけ。
俺はやればできるんだと思った。並のレベルで満足しちゃいかんのだと思い込んだ。ひょっとして俺は天才かもしれん。
3つ目は、孫家の遺伝子。
ご家族は強烈な人ばかりです。
その家庭環境と血筋が孫正義の底力の元となっています。
ゆえに少々の批判などは、逆に自分の推進力にしてしまえるのです。
批判する人を恨んではならない。それは、自分の成長への道を示してくれているのだから。
夢を批判された時、一理有れば即改善。それは既に夢実現への一歩前進。単なる難癖なら更に決意を固く。
個人的には、次の言葉が一番心に響きました。
同じような言葉がユダヤの教えにありますね。
一度しかないこの人生で自分の夢を追いかけないでいつ追いかけるのだろう。
孫 正義
自分が自分のために自分の人生を生きていないのであれば、いったい誰が自分のために生きてくれるだろうか
ユダヤ教の教え