ホリエモンと落合陽一さんの共著『10年後の仕事図鑑』では、AIの活躍などで将来、人間の仕事としては無くなる仕事がいくつかあげられています。
本記事では、その仕事をご紹介するとともに、メディアや複数の著書で語っているお二人の仕事に対する考えから、これから目指すべき働き方についてまとめています。
ホリエモンと落合陽一の語る、将来無くなる仕事
早速見ていきましょう。
弁護士、裁判官、税理士、警察官
落合陽一さんは、2030年には弁護士、裁判官、税理士、警察官といった、法律に基づいた判断が求められる職業の現場にAIが導入されると予想しています。
つまり、わざわざ複雑な法律を人間の頭で覚え答えを導気出すのではなく、AIに法律を覚えさせ判断をさせた方が効率的で公平だというわけです。
もちろん、コミュニケーションが必要な場面は出てくるのでゼロになりませんが、機械化が進み、人間は顧客対応としての役割に特化することになると予想しています。
現代でもネットである程度代替可能で間違いなく人間の仕事は減っていく。
法律をベースに判断する仕事はAIの得意領域なのです。
- 会計監査
AIで個人の特性を分析して魔が差す要因をマッピング - 弁護士
過去のデータに基づいて判断することが多い、判例に解説のつく日本風司法ではタスク自体は案外と単純。人為的なシステムの中で、人間が判断を下すだけなのに、なぜか不毛な富が支払われる仕組みになっている。
つまり、給料が高く、AIに代替される職業の代表格 - 裁判官
コードを作り、判例の理由を学習させると、過去の判例に対して正答率が8割越えだった。たった一時間くらいで作ったものでさえ、この実績。
教師、塾講師などの教える仕事
コロナの影響でオンライン授業が広まってきましたので、お気づきの方も多いと思いますが、オンライン教育であれば一部の人気者以外の先生はいらなくなります。
テストの採点もコンピューターができるようなってきます。
マークシートだけではなく、記述問題もAIがチェックするようになる時代は、すぐそこまで来ています。
スポーツの監督、現場監督、管理職
AIは判断する能力にたけており、過去の膨大なデータから早く的確な指示が出せます。
例えば、スポーツであればボールの支配率、疲労の数値から適切な交代の指示。
仕事であればプロジェクトの問題(障害)数やパフォーマンス数値、健康状態、勤怠などからのスケジュール調整や追加人員のアサインなどのトライブル対策をドライに適切に行えます。
ただ、モチベーションの喚起やコミュニケーションは別で、そこは人間の力が必要です。
介護職
人がやるべき仕事だけになっていきます。現在は介護士の仕事は行動に伴う安全管理が多くの時間を占めているそうです。
たとえば電動で自動で動く車いすがあれば、業務が大幅に減ります。
対話など人にしかできない仕事をすればよくなり、人手不足も解消します。
警備員
介護と同様AIが業務を減らしてくれます。
ずっと見張っているのではなく、アラートが鳴ったら行けばいい。
ドローンの見回りなどの実験も始まっていて、人間が動く・人がたくさん必要な状況は解消されていきます。
画像認識で不人気な刑務所の見回りなども代替でき、人手不足解消につながると予想。
通訳、語学教室
ヘッドマウンティングディスプレイがあれば、翻訳された言語がリアルタイムで目の前に表示されるようになるなど、目覚ましい翻訳技術の発展により、通訳や翻訳の仕事はいらなくなります。
自然と英会話教室などの語学教室もいらなくなる。
公務員、窓口業務
公務員が絶対安泰だというのはとっくの昔の話。
IT化で申請業務が減るし、窓口もAIに代替される日は近い。
公務員が自動化による小さい政府の代名詞になる可能性があります。
銀行員
電子マネーや仮想通貨などに代替され、紙幣や貨幣の利用が減少することで、現金をあつかう業務は大幅に減ります。
ゴールドマンサックスのトレーダーが大量解雇されるなど、AIによる金融業務の大変動はすでに始まっています。
ドライバー(ハイヤー、トラック、タクシーの運転手)
自動運転技術の進歩によりドライバーという職業はいらなくなります。
飲食店の店員
席への案内、運搬、調理などほとんど機械化される見込みです。
ペッパー君が案内係をしている店はすでにありますよね。
マクドナルドは機械化を進めて利益を上げました。真っ先にAIが導入される店になる可能性が高い。
くら寿司はすでに半機械化に成功しています。
ただ、人とのコミュニケーションが売りのスナックのママなどはAIには無理
鍵は『コミュニケーション』です。
運送業
BTOBでの物流業務。自動運転、倉庫の自動ピックアップ。
ドローンによる輸送、そのうちビルの屋上にはドローンポートができると予想しています。
人の活路は、ニッチな部分。
製品の運搬だったり、個人への配送、重い荷物や大きい荷物の持ち運びとなります。
本屋
すでに1999年と2017年で一万件の本屋がなくなっています。
本を置いているだけの店はネットに代替されていきます。
活路はリアルをいかした、著者の講演会・サイン会・カフェを併設してのイベント、本を読みながらお酒が飲めるバーなど、本をコンテンツにした場づくり。
レジ打ち
もはやセルフレジどころではなく、アマゾンGOではレジが要りません。
お金を払うという行為自体がなくなり、当然レジ打ち業務はなくなっていきます。
ホワイトカラーの9割はいらない
元々、ホワイトカラーの事務作業をやっている人たちの半分はいらない。
計算を主とする仕事は、わざわざ人間がやる必要もありません。
さらにコロナによるリモートワークが進み、ホリエモンからこんな発言が飛び出しています。
ホワイトカラーの仕事の9割は実は必要ない、またはAIで置き換えられる仕事
リモートワークが可能になると、単に出社すればいいわけではなく、その人に何ができるかが問われるようになる。
会議中にプレゼンテーションも発言もしない人たちの存在意義がなくなり、スカイプで参加していても、与えられた役割をこなし意見を表明する人のほうがプロジェクトミッションの達成に貢献しているといえます。
リモートワークの「コミュニケーションの滑らかさが失われる」問題も解消されつつあります。
ただ、個人的には、リモートでの滑らかではないコミュニケーションで働くスキルが求められてきていると感じます。
そこはデジタルネイチャーの世代とおじさん世代ではスタートでだいぶ差があるように思われ、世代交代が進むのではないでしょうか。
落合陽一の考えるこれからの働き方
これからの働き方について、ホリエモンと落合陽一の考えは、概ね一致しています。まずは、落合陽一さんです。
働き方5.0
落合陽一さんの最新の著書『働き方5.0』のなかでこれからは、「AIやロボットとともに仕事をする」=「働き方5.0」の時代になると話しています。
そんな世界では、2種類の働き方に分かれていくと考えています。
それは、「AIを使う人」と「AIに従う人」。
例えばウーバーで配達している人は、システムに入力された情報を基にAIが判断し、その指示に従って配送をしています。
つまり、AIに従って仕事をしています。
これがいい悪いでなくそういった働き方です。
ちなみに落合さんもスケジュール管理はAIの指示にしたがい、研究の責任は自分と部分的にはAIに従っていると話しています。
「AIを使う人」は、システムを敵ではなく、自分の仕事を手伝ってくれる存在と捕え、活用して行く人です。
そこで必要となる資質として「自分で決める」を上げています。
AIにできないことは、「何をやるかが決まっていない状況」で「何をやるか決める」ことです。
何をやるか決まると、寝ずに働き、正確なAI・ロボットには勝てません。
だからAIを使いこなすためには「何事も自分で考え、自分で決める」人材となる必要があるのです。
「ワークライフバランス」から「ワークアズライフ」へ
もうひとつ落合さんがメディアや著書なのどで繰り返し提唱しているのが「ワークアズライフ」です。
「ワークライフバランス」や「働き方改革」が叫ばれる昨今、簡単に言えば
仕事のやり過ぎは良くないよ、生活とのバランスを大事にしよう
とのお話です。
しかしそれに対して、落合さんは次のように言っています。
一体いつから
「仕事」=「辛いもの」と錯覚していた?
落合さんは一日19時間仕事してもぜんぜん辛くないそうです。
それは好きな事を仕事にしているから。
「ワークアズライフ」とは「ワークライフバランス」と違い、人生を充実させるためには仕事の充実が不可欠だとの考え方です。
つまり、仕事以外の時間を充実させるのでなく、ストレスのない事、楽しい事を仕事とする事が大切と説いているのです。
ホリエモンの考えるこれからの働き方
ホリエモンはもっと極端で「嫌いな仕事なんてさっさと辞めて、好きな事をとことんやればいずれ仕事になる」とかなり前から著書などで訴えてきました。
楽しいことを仕事にして何が悪い
例え飛び抜けた才能がなくても、1つの分野で100人に1人の人材になり、それを分野を変えて3つやれば、100×100×100で100万人の一人の人材になれるのだと。
さすがに「仕事を今すぐ辞める」は極端だと思いますが、結局自分が「やりたい事」を見つける事が、医学の進歩で人生100歳時代といわれる昨今、大切なことなのだとは、思います。
堀江貴文イノベーション大学校(HIU)に入る
そんな事を言ってもやりたい事なんてすぐ見つからないんですけど
そんな、やりたい事が見つからない人への一つのアイディアとして、ホリエモンのオンラインサロンHIUに入る事を提案しています。
HIUではホリエモンが考えた事業アイディアがどんどん形になっています。
給料をももらって与えられた仕事をするのではなく、会費を払って、自分がやりたいことに手を挙げる仕組み。
自分の意志により実施するので、みんながモチベーション高く仕事に携わることができる。
これを手伝うところから始め「やりたいこと」を模索するのも一つの手ではありますよね。
ベーシックインカム
そもそも働きたくない。
ホリエモンも落合陽一もベーシックインカムには肯定的です。
好きで働く人と最低限の生活費で働かない人、この選択肢が生まれる事が「好きな事を仕事にする」ベースとなるからです。
2016年には、スイスで、ベーシックインカムの導入案をめぐって国民投票が行われる(結果秘訣)など国際的な盛り上がりを見せています。
今を生きる
「未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ」
これは、近畿大学の卒業生へのホリエモンのスピーチで発せられた名言です。
聞いた事ない方は「【No1決定】ホリエモンの457個の名言と伝説のスピーチ 」の前半で紹介していますので、ぜひ聞いてみてください。やる気がわき出て来ると評判の名スピーチです。
実は『10年後の仕事図鑑』では、これから無くなる仕事の予想を一通り紹介した後に、「『なくなる仕事リスト』なんて血液型占いくらいの精度しかない」とぶっちゃけています。
前述のスピーチでも述べられていますが、未来の事なんて誰にもわからないのです。
投資の世界でも、エコノミストやアナリストなどの専門家の予想が当たる確率は50%以下、つまりサイコロで決めた方がマシとのデータもあります。
話がそれましたが、未来は誰にもわからない、だから将来のためなどと言い訳をしないで、今を一生懸命・楽しく生きるのがベストなのです。
結局、それがAIにより仕事の形が激変して行くことが予想される現代の正しい生き方なのではないでしょうか。
将来のために辛い仕事に耐えると自分に言い訳するのは止めましょう。
ホリエモンがいつも言っています「行動しましょう」。
ホリエモンの働き方論については次の記事でも紹介していますのでチェックしてみてください。
ホリエモンと落合陽一の経歴
このような働き方論を展開し、世間から評価を受けているお二人はどのような経歴を辿ってきたのでしょうか。
そして二人の接点は?
興味のある方は次の記事でまとめていますのでチェックしてみてください。
◆落合陽一の経歴
◆ホリエモンの経歴
「これからの働き方」の結論
- 定年したらやる事ないサラリーマン
- 仕事を辞めたらすぐに亡くなってしまった会社役員
- 孫の世話や家事から解放されたら認知症になってしまたお婆ちゃん
こんな話で世間はあふれています。
最近で言えばリモートワークで、仕事の負荷が減ったら、暇だし・人とのかかわりが減ったので、人生つまらなくなったと言っている人の話をよく見かけます。
私の周りにもたくさんいます。
ここから導き出される答えはたった一つ
『人生には仕事が必要』
仕事=やる事と置き換えてもいいと思います。
そんな必要不可欠な仕事を継続するためには、
- ホリエモンの言うように「やりたい事、好きな事を見つける」
- 落合陽一さんが言うように「自分で決める」能力を持つ。
これが必要なのです。
例え本業でなくても、副業でも、若しくは趣味でもいい、自分の好きな仕事を見つけましょう。
そして話はAIやロボットに戻ります。
本記事で仕事の変革を起こしているAIやロボットは仕事を奪うのではなく、単純作業や危険な作業など自分がやりたくない仕事をやってくれる存在と捉えればいいのです。
人間の仕事を奪うのでなく、人間が好きな事をする時間を作ってくれるもの。
そう考えいると「好きな事を仕事にする」、「やりたい事を探す」環境を整えてくれていると前向きに捉えられるのではないでしょうか。
医学の進歩により、私たちの人生は考えている以上に長くなりそうです。
暇ができたらでなく、今すぐ「自分のやりたい事探し」を始めてみませんか。
本記事では一部だけをかいつまんでお伝えしています、お二人の仕事の考え方を詳しく知りたい方は、『10年後の仕事図鑑』手に取ってみてください。
(おしまい)