史上最強の投機家ジョージソロスの5つの失敗とその対処方法 | 失敗を乗り越える3つの秘訣

ジョージソロスの5つの失敗

世界3大投資家の一人ジョージ・ソロスをたたえる異名はたくさんあります。

ジョージソロスの異名
  • ヘッジファンドの教祖
  • 史上最強の投機家
  • イングランド銀行を破産させた男

そんな偉大な投資家である彼も人並みに様々な失敗をしています。

なぜソロスは失敗しながらも数千億円に及ぶ個人資産を一代で築けたんだろう?

本記事では、ジョージ・ソロスの偉業と共に「5つの失敗」と「ソロスの失敗に対する対処法」についてまとめています。

偉大な投資家の失敗への対処方法を学び、自分のいざという時の行動に役立ててください。

ジョージソロスの偉業

ジョージソロスの偉業

失敗の前にジョージソロスの偉業を振り返っておきましょう。

クォンタム・ファンドの設立

1969年、ソロスはジム・ロジャース(世界三大投資家の一人となる)とともにファンド(のちのクォンタム・ファンド)を設立。
設立以来1981年まで損失を出しませんでした。

イングランド銀行を破産させた男

イングランド銀行対ジョージソロス

ソロスの人生最大の勝負であり、一回の投機としては人類史上最大の儲けとなった「1992年のポンド売りによる成功」
この時ソロスが手にした利益は40億ドル超。「イングランド銀行を破産させた男」として名を馳せることとなる。

クォンタム・ファンドの躍進

クォンタム・ファンドは1998年には運用資産世界一のヘッジファンドになり、2010年にはファンド規模が史上最大の270億ドルに、また2013年にはファンド史上最高額の55億ドルの利益をあげました。

人物

トレードについて妥協を許さず、愛弟子ドラッケンミラーと組むまで、後継者候補が10人ほどいて全てクビにしたと言われています。

またチャンスと見たら中途半端に賭ける事を許さず、全力で賭ける事を信条としています。

ソロス
ソロス

そのトレードに強い確信を持っているなら、全てを賭けて勝負しなければならない

一方、家族を愛し、友人との交流を大切にし、慈善活動にも力をいれるというように、人並み以上に人間的な温かみを持った人物とさえいわれています。

ただ、結婚は3度しています。

ジョージソロスの5つの失敗

ジョージソロスの5つの失敗

そんな偉大な投資家も数々の失敗をしています。その中で大きい物を5つピックアップしました。

ジム・ロジャーズと訣別

ジム・ロジャーズと訣別

1980年、11年間ファンドを一緒に経営してきたジム・ロジャーズと訣別、真価が問われるその翌年、なんとクォンタム・ファンドは創設以来初めての損失を出してしまいます。

金利の見通しを誤り、運用実績は22%のマイナスとなってしまいました。顧客の解約による流出も含めファンドは4億ドルから2億ドルに半減してしまいます。

1987年ブラックマンデー

1987年ブラックマンデー

歴史的な株価暴落であった1987年のブラックマンデーでは、500億円近い損失を出し“もっとも大きな損失を出した投資家”と不名誉な呼称をされてしまいます。

1997年のロシア金融危機

香港ドルと米ドルのペッグを外そうと仕掛けたが失敗、ここでも最大の被害を受けた投資家の一人といわれた。

ITバブル崩壊の読み違い

1999年ころからはITバブルが発生していく過程でIT株を空売りして失敗。高値の時には逆に、「まだまだ上昇する」と買って失敗。

バフェットもそうでしたが昔からの投資家はITで一回躓きますね。やはり「現代における最大のゲームチェンジ」なのでしょう。

トランプ相場空売り

トランプ相場空売り

ソロス氏は2016年11月の大統領選挙でトランプ氏が有力候補になった頃から一貫して米国株を空売りしていて、アメリカの大統領に選出されてもその姿勢を変えませんでした。

トランプ相場における米国株は一貫して上昇、ソロス氏は大統領選挙直後の時点で既に損失を出していたが、その後も空売りを撤退するどころか売り増しを行い、米国株は下落するとの姿勢をより強固なものとしました。

しかしその後も米国株は上昇、2016年11月から2017年9月末までで米国株は20%近く上昇しました。ソロスは2017年9月末にようやく空売りポジションの大半を精算。この取引で10億ドル(約1100億円)近い巨額の損失を出していたといわれています。

トランプ政権への個人的嫌悪と理性的な投資判断を混同したとの憶測もあります。

ジョージソロスの失敗への対処法

ジョージソロスの失敗への対処法

個別の失敗に対しての対応ではなく、ジョージソロスの姿勢をまとめました。

1.心を整える

どんな失敗をしてもまったく落胆しない、また失敗を隠蔽せずに素直に認める。逆にどんなに利益が出ても喜ばない。ただ淡々と市場に臨む。

「1992年のポンド売りによる成功」の時も、一回の投機としては人類史上最大の儲けであったのにも関わらず、ソロスの態度は、終始淡々としていたそうです。

「大負けした時でもさっさと損切りして次の投資テーマに移る切り替えがうまい人間」と著名投資家スタンリー・ドラッケンミラー氏も証言しています。

2.目標を一つ一つの取引の勝利に置かない

ソロスは哲学者を志していたことから「自分の投資理念が正しいか」を追い求めていると言われています。つまり一つ一つの取引は、その過程に過ぎないのです。

ですので、どんなに大きい取引でもどんなに利益が出ている取引でも、いざとなったら、こだわらずにすぐに撤退できる態勢をとっていて、それが実行できるのです。

私たちも目標を一つ一つの取引の勝利に置かずになるべく大きく持ちたいですね。
(資金を元本から1000倍にするとか、家が変えるくらい儲けるとか、人生に影響を与える金額まで増やすとか、まだ小さいか...)

3.必要以上にマーケットの動きを見ない

ソロス氏は、ほかの金融トレーダーのように、トレーディングルームの中で、終日マーケットの動きを見ているということはしません。オフィスも金融の中心地であるウォール街から離れた場所にもっています。

また、オフィスの中は、家族の写真や絵画を飾り、静かで穏やかな雰囲気で、心を整えているそうです。

わたしも仕事で忙しくて値動きを余り追えないくらいの状態のほうが取引は上手くいっています。 常に見ていて余計な事を考えて取引するとダメですね。

最後に、ソロスの名言

いかがでしたでしょうか。どれも投資に取組む姿勢といった内容ですが、投資の奥義なのかも知れませんね。

最後に失敗に関するソロスの名言で締めたいと思います。

ソロスの名言

  • まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。

  • 私が確かに人より優れている点は、私が間違いを認められるところです。それが私の成功の秘密なのです

  • うまく行っていない時、最初にすべきことは、投資額を減らすことだ。損失を取り返そうとしてはならない。投資を再開する時は、小額ではじめるのだ。

  • 市場は常に弱者、つまり確固たる信念を持たない投資家を完膚なきまでに叩きのめす。

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≫ポンド危機でのイングランドの失敗【ラモント蔵相の致命的ミス】
≫ソロスの愛弟子スタンレー・ドラッケンミラーが教える投資家の抗えない本能

参考資料

本記事作成にあたり次のサイト・本を参考にさせていただきました。

◆書籍:
新マーケットの魔術師―米トップトレーダーたちが語る成功の秘密

ビッグミステイク レジェンド投資家の大失敗に学ぶ

免責事項
  • 本カテゴリの記事は基本的に主人公寄りで書いています。
  • 極力資料に基づき記載していますが、会話の内容など一部脚色しています。

(おしまい)

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