17世紀に起きたチューリップバブルは世界最古の経済事件と言われ、世界3大バブルの一つに数えられています。
最盛期にはチューリップの球根ひとつで家一軒の価値があったと言われており、その熱狂ぶりが伺えます。
現代の投資で失敗しないために、最古のバブルから、その崩壊に巻き込まれないための方法を学んでおきましょう。
最古のバブルはなぜ起こったのか
時代背景
1609年、41年続いたスペインとの長い独立戦争がようやく終結。
ついに独立を果たし、世界にオランダ国が誕生することとなります。
長きに渡る独立戦争を終え、繁栄を謳歌することで、彼らは間もなくオランダの黄金期と呼ばれる時代へと歩み始めます。
この時期のオランダの躍進を歴史家は「オランダの奇跡」と呼びます。
チューリップの流行
この頃、オランダの富裕層の間でチューリップの栽培が流行、自宅に高価なチューリップを植えることで自分の権威を示したりしました。
チューリップの球根は、普通の花の球根でもはごくまれにウィルスの作用で「ブレイク」し、珍しい模様をつけた花が咲きます。
但し、ウィルスにおかされた球根は弱く、増やすのは困難でした。
そんな、 思い通りにならないところや儚さから、チューリップは愛好されていたのです。
咲くまでどんな花かわからないのが魅力なんだよな。
こうしてチューリップは富の象徴とされ、「無窮の皇帝」など珍しい品種は高値で取引されるようになります。
また、チューリップの球根は株などに比べて安価で誰でも運によって希少な花を咲かせることから、次第に一般の人にも人気が出てきました。
「オランダの奇跡」により、景気がよかったことから、1634年頃にはチューリップの人気爆発し、どんどん価格が上がっていきます。
元々購入していたアマチュア球根収集家や大商人などの富裕層は、このころには姿を見せなくなります。
チューリップフィーバー
人数が増えるに従って、居酒屋さんで、お酒を飲みながらまとめて球根の入札が行われるようになりました。
居酒屋でビールを飲み、タバコを吸い、魚や肉の料理を食べ、鳥やうさぎの料理まで食べ、デザートまで出る。
朝から夜の3時から4時まで楽しんだ上、ちゃんと儲けてくる♪
チューリップで儲けた人は、そのお金で馬車や馬を買うなど、景気がどんどんよくなってきます。
価格が高騰してくると取引の主体が収集家から投機家に変化。
この頃には球根は実際に受け渡しはされず、手形で取引されるようになっていました。
来年の春に咲くはずの花を買う権利のように、まだ存在しないものも取り引きの対象になっていきます。
今で言う「先物取引」です。
チューリップ球根の先物取引が始まると、すぐに球根売買のほとんどはの実態がないものになってしまいます。
農家以外の実際はチューリップを持っていない人も先物として球根を売るなど酷い状況になっていきました。
球根を売っても、実際に球根を引き渡すのが来年の春だから、それまでになんとかする(それまでばれない)と考えれていたのです。
チューリップ値段はどんどん上がり、オランダ人の平均年収が300ギルダーくらいの時代に、チューリップの王様「無窮の皇帝」は、年収30年分10,000ギルダーにまであがりました。
つられて白や赤など単色の普通のチューリップの球根でさえ、あり得ないほど高額で取引されるようになってきます。
こうなってくると家や土地を格安で売りに出し、球根を買い儲けようとする人もできてきます。
チューリップの価格はどんどん上がりそれにつられるように生活品や、土地や住宅、馬や馬車などの値段も上がりました。
貴族、市民、農民、商人、漁師、従者、使用人、煙突掃除人や洗濯婦までもがチューリップに手を出しました。
オランダ中が盛り上がる中、1637年2月3日、ついにその日がやってきます。
1637年2月3日、特段のニュースも前触れもない中、突然チューリップ価格が暴落しました。
チューリップバブル崩壊の原因はなんだったのか
思い当たる理由としては、春が近づきチューリップの引き渡しの期日が来ると、誰もチューリップの球根を引き渡すことができないことがばれてしまう事ぐらいでした。
ただ、これもその年だけの問題ではありませんでした。(毎年もめてた)
取引所で買い取り手がいなくなったとのうわさが流れ、翌日には値段がつかなくなりました。
チューリップ保有者は自分の購入金額の1/4でも買い手を見つけることができず、オランダ中がパニックに陥りました。
あわわ、家まで売って買った球根が半額に ... ...
チューリップ球根の代金の手形は次から次へと債務不履行になり、園芸を職業にする人たちは投機家に支払いを求めたが、誰も代金を回収することはできませんでした。
翌年の1638年5月に、政府が合意価格の3.5%の支払いでチューリップの売買契約を破棄できると宣言、混乱はようやく収束しました。
こうして、世界最古のバブルは幕をとじました。
チューリップバブルは世界三大バブルと言われています、そう、あと2つもあります。
さて、次のバブルの舞台はフランスです。
このバブルは、たった一人の野心家が起こしたと言われています。
仮想通貨はチューリップバブルと同じ道を歩むのか
仮想通貨は実体のないもの扱うバブルとして、よくチューリップバブルと比較されます。
仮想通貨は、チューリップの球根と同じ運命をたどってしまうのでしょうか。
本サイトの結論は「全く違う」です。
ホリエモンなども言っていますが、仮想通貨は世の中の新しい成り立ちを作りだす可能性をもった技術:ブロックチェーンから成り立っており、そのバックボーンはしっかりしています。
世界中で取引されており、一過性のものではありません。
食用にもできないし、保存もきかない、他国では価値がないチューリップの球根と比べるのはナンセンスだと思います。
ただ、仮想通貨もビットコインだけでなく様々な種類がでており、仮想通貨事態の未来は明るくても種類によっては淘汰される可能性があります。
GAFAもその座を虎視眈々と狙っています。
FaceBookの 「Libra」はvisaやマスターカードなどとのコラボの話があり、実現すれば一気に世界を席巻してしまいそうな勢いです。
ただ情勢は日々動いており、投資対象は吟味する必要があると思います。
バブルで破産しないためには
次の記事では、8つのバブルから崩壊時に失敗しないための対策をまとめていますので、こちらもぜひ参考にしてください。
また、世界三大バブルなどその他のバブルについてもまとめていますので、現代の次のバブルに筆禍らないためにも、チェックしてみてください。
参考
本記事作成にあたり次のサイト・本を参考にさせていただきました。
(おしまい)