あなたは、バブル崩壊を経験した事はありますか?
この記事の目的は、世界の8つのバブル崩壊時の事例から傾向を知り、これから起こるバブル崩壊での損失を回避することです。
結論を先に言ってしまうと、次のチェックポイントからバブルを察知してください。
これだけだとわかりにくいと思いますので順番に解説していきます。
気になった方は、9分ほどの内容ですのでお付き合いください。
始めに、参考にした世界のバブル
経済の歴史は、バブルの歴史ともいわれています。
本結論は、世界中で起きた次のバブルを参考に結論を導きだしています。
バブルの発生を察知する方法
投機家は正しく将来を予測しても非現実的なほどそれが早く実現すると見積もることがある。
歴史家 ジェイムズ・バカン
バブルは恐ろしいものですが、うまく利用すれば資産を築くことができます。
では、どうすればバブルの崩壊を回避して資産を増やす事ができるのでしょうか。
結論は、
「6つのチェックポイントからバブルの危険度を測り、投資額を調整していく」
ことです。
歴史が証明しているように、人間は何度失敗しても繰り返しバブルを発生させ、その都度一定数の人が破産しています。
年代 | 名称 | 場所 |
---|---|---|
1673年頃 | チューリップバブル | オランダ |
1717年頃 | ミシシッピバブル | フランス |
1720年頃 | 南海泡沫事件 | イギリス |
1870年頃 | ウサギバブル | 日本 |
1920年頃 | 狂騒の20年代 | アメリカ |
1987年頃 | 平成バブル | 日本 |
1999年頃 | ITバブル | アメリカ |
2006年頃 | 住宅バブル | アメリカ |
そこで、歴代のバブルの特徴から、事前に危険を察知し、危険度に合わせて投資額を抑制していくのです。
そのためのチェックポイントが最初に挙げた6つです。
順番に解説していきます。
1.バブルを正当化する革新的な技術や新しい理屈がある
歴史を紐解くとバブルが発生する陰には、「これがあるからこれから世の中が革新的に変わる」と信じられるような革新的な技術や高すぎると考える人を説得する「新しい理屈」がありました。
- ミシシッピバブル
無限の可能性を秘めた新大陸(アメリカ大陸)への夢。 - アメリカ狂騒の20年代
アメリカは、イギリスから世界最大の工業国の地位を奪い、永遠の繁栄が約束されている。
FRB(連邦準備制度理事会)ができ、景気の調整をしてくれる機関ができたことで景気循環のない新時代が来た。 - 平成バブル
日本の経済は世界一で21世紀は日本の時代だから地価や株価が高いのは当然。
日本は狭いのだから土地が値上がりして当然。 - ITバブル
ITは夢の技術。経済成長と同じスピードで企業の生産性が効率化していけば、永遠にインフレなき成長が続く事になる(ニューエコノミー)
確かにその時には「これで世の中が劇的に変わる」、「新しい時代が来た」と世間が騒ぎますので信じたくなってしましますが、投資家は冷静にならなければなりません。
ITバブルのように、後から考えれば当時の株価の上昇が正しかったと証明される事があります、結果的に正しくてもそれは急ぎ過ぎているのです。
2.金融が緩和されている
バブルと金融政策は密接に関係しています。
傾向として金融が緩和され続けていることが多いです。
3.全員参加型でこれまで投資をしていなかったような人も投資をする
「靴磨きの少年」の話が有名ですが、これまで投資をしなかったような人が、訳知り顔で株を語り出したらそれは危険な信号です。
最近ではあの週刊誌が株の特集をやり出したら、好景気は終りだなどとまことしやかに言われております。
バブルの一つの特徴として、社会全体が浮かれる結果、そのような事態が起きます。
4.投機の熱狂が過熱するに従って、投機の対象になる銘柄の質が低下していく
- チューリップバブル
最初は「無窮の皇帝」など希少な球根のみが高値で取引されていましたが、最後には普通の球根まで高額取引の対象となっていました。 - 平成バブル
最初は東京の一等地がターゲットでしたが、段々田舎に波及して行きました。 億を超える住宅が並ぶ 「チバリーヒルズ」なんてのもありましたよね。 - 南海泡沫事件
その名の通り、(嘘だが)夢のある南海株式会社だけでなく、嘘八百を並べた実態のない泡沫会社郡の株も高値で取引されました。
このように人々が熱で浮かされた結果、後から考えると考えられないような物が高値で取引されるのです。
5.悪質な詐欺が横行
猫も杓子も投資を始める事から初心者をカモにする、悪質な詐欺が横行するのも特徴です。
6.バブルの崩壊のキッカケは政府の金融政策である事が多い
- 平成バブル
バブル崩壊は、政府の土地売買課税強化が発端でした。 - ITバブル
崩壊時、FRBは徐々に金融を引き締めています。 - アメリカの住宅バブル
リーマンショックは、FRBの金融引き締めにより、住宅の価格の上昇が止まり、サブプライムローン焦げ付いたことが原因でした。 - うさぎバブル
政府の条例「兎取締りの儀」で兎の保有に税金をかけたことにより崩壊が始まっています。
このように、政府や銀行の金融政策がきっかけでバブルが崩壊する例は多いです。
さて、いかがでしょうか。
これらのバブルとその崩壊の特徴をしっかりと頭に入れておけば、今後バブルが発生したとしても最悪の事態にはならないのではないでしょうか。
そんな簡単にわかったら苦労はないんじゃないの?
おっしゃる通りでして、次はバブルを読む難しさにふれます。
バブル崩壊を読む難しさ
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
初代ドイツ帝国宰相 オットー・フォン・ビスマルク
頭ではわかっていても、実際に目にするとつい騙されてしまうのが人間です。
南海泡沫事件では、あの天才ニュートンも失敗しており、こんな言葉を残しています。
「天体の計算ならできるが群衆の狂気は計算できない」
ナンピン買いまでしちゃったんだよね...
10億円ほど吹き飛びました。
ITバブルの当初、FRBのグリーンスパン議長は批判的な意見でした。
「根拠なき熱狂」だ
しかし、いつまでたっても値下がりしない株価に前言を撤回しました。
我々は「100年に一度の技術革新」に遭遇しているのかもしれない。
この相場は、「生産性が高まった結果」なのかも。
いかにバブルをバブルと認識するのが難しいかを物語っていますよね。
今はバブルなのか
四つの単語でできた言葉の中で、最も高くつくものは「今度ばかりは違う(This time it’s different.)」である。
ウォール街の伝説的なファンドマネジャー サー・ジョン・テンプルトン
さて、それでは今はバブルなのでしょうか。難しいながらもチェックしてみます。
✔ バブルチェック
- バブルを正当化する革新的な技術や新しい理屈がある
世界的異次元緩和、実体経済が落ち込んでも株価だけは上がっている
特に日本は貯め込む国民性だから、異次元緩和可能な国 - 金融が緩和されている
世界的異次元緩和 - 全員参加型でこれまで投資をしていなかったような人も投資をする
個人トレーダーに億り人が量産されている異常事態 - 投機の熱狂が過熱するに従い、投機の対象になる銘柄の質が低下していく
特に目立った事例なし - 悪質な詐欺が横行
詐欺が横行しているイメージはない(知らないだけ?)
カリスマトレーダーは増えた。 - バブルの崩壊のキッカケは政府の金融政策である事が多い
2020/10/19 黒田総裁が景気後退に言及するなど、世界の中銀総裁が先行きを警告
この状況で、株価が大崩壊したとして、将来この時代を振り返り、人はこのように言うのではないでしょうか。
コロナで景気が後退して経済が下降しているのに株価だけ上がるなんてありえないよね?
なんで当時の人は気づかなかったんだろう???
株価が下がりそうになったら日銀が金持ちの人を救済するために株を買う?
そんなズルいつまでもできるわけないでしょ!
個人的にはバブルは来ていると感じています(投資は自己責任でお願いします)
では、今投資をやめるべきなのかというと「そんな事は誰にもわかりません」。
ITバブル崩壊後の2002年にFRBグリーンスパン議長は名言を残しています。
バブルは崩壊して、初めてバブルと分かる
グリーンスパン氏は、米国史上前例のない5期目の連邦準備制度理事会議長に任命され、巧みに市場金利を望ましい水準に誘導した手腕から「金融の神様」「マエストロ」と呼ばれていました。
そんな人が言っているのです、重みがあります。
「誰にも予想できないのが相場」は大前提です。
- 明日政府の緊急政策が発表されて、相場が大暴落するかも
- 明日ホリエモンが逮捕されてライブドアショックが起きるかも
- 明日天災が起きるおきるかも
また、バブルは破裂直前が一番儲かることも歴史が証明しています。
あとXXくらい、一番儲かる期間が続くかもしれません。
いずれにせよ、条件は整いつつあると思いますので、ご自分で判断していたき、やる場合も「ここまで儲かったら今回はOK」とゴールを決め、余裕資金でやることが吉かなと思います。
最後に、本記事作成の参考にさせていただいた、エドワード・チャンセラーの「バブルの歴史」という本の副題で締めたいと思います。。
(おしまい)